富士テレコム株式会社

AWS

飲食業者向け業務システムをAWSに移行。BeeXの手厚い支援のもと、クラウド環境の構築に成功

業種
情報サービス
従業員数
300~999人

飲食業者向け業務システムをAWSに移行。BeeXの手厚い支援のもと、クラウド環境の構築に成功

富士通の主要パートナーとして、さまざまな事業を展開する富士テレコム。同社において病院や介護施設向けのソリューションの開発・販売を手がけるフードケアビジネス部は、主要取引先の飲食業者が利用中のスタンドアロン型業務システムをアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行するプロジェクトを受託。そのパートナーにBeeXを指名しました。

同社はBeeXの手厚い支援のもと、サーバーレス、オートスケーリング、IaCなどの技術を駆使してクラウド環境を構築。オートスケーリングの採用により使うリソースを抑えることで、オートスケーリング不採用時と比較してかかるコストを約50パーセント削減し、運用・保守の負荷も軽減されました。

課題
  1. 取引先の飲食業者が利用している2つの業務システムをAWSに移行
  2. クラウドインフラ(AWS)に関する知識やノウハウが不足
  3. 単なる移行サポートではなく、将来の内製化に向けた支援も欲しい
解決したこと
  1. AWS移行とオートスケーリング採用によりかかるコストを約50%削減、
    運用・保守の負荷も軽減
  2. BeeXの高度な技術力と的確なアドバイスによりスムーズな移行を実現
  3. インフラ領域に限らない全般的な伴走支援を通じ、
    エンジニアのAWS開発運用スキルを向上

主要顧客のスタンドアロン型システムを
AWSへ移行してほしいという依頼を受ける

富士通の主要パートナーとしてシステムインテグレーション事業やパッケージ事業を展開する富士テレコム。同社のヘルスケアビジネス統括部では、「電子カルテ」、「医療安全管理システム」、「高齢者住宅システム」、「栄養管理システム」などのパッケージ製品を医療施設や介護施設に向けて提供しています。中でも、フードケアビジネス部が取り扱う栄養管理システムは導入実績が豊富で、全国の病院・施設で採用されています。

今回、AWSへ移行したのはフードケアビジネス部の主要顧客である飲食業者のA社が利用している業務システムで、「店舗管理システム」と「栄養管理システム」の2種類です。

1つめの「店舗管理システム」は、2000年代にA社がスクラッチで開発し、その後、富士テレコムが保守を引き継ぎ運用してきました。これはA社の店舗にあるクライアントPCにインストールされたスタンドアロン型システムで、データセンターで運用中の基幹システムとISDNのダイヤルアップ接続で繋ぎ、CSVファイルを送受信するかたちで利用していました。

しかし、PC単位で利用するスタンドアロン型システムには、データ集約が非効率という問題があります。そこで、A社はシステムのAWS移行を決断。富士テレコムにその作業を依頼しました。ヘルスケアビジネス統括部 フードケアビジネス部 部長の渡辺信之氏は「このころ、ISDN回線から光回線への移行が進みつつあったこと、オンプレミスではハードウェアの縛りがあることなどが考慮され、調達期間が短く可用性の高いAWSにシステムを移行したいという依頼を受けました」と当時を振り返ります。

2つめの「栄養管理システム」は、2000年代にパッケージベースで開発したスタンドアロン型システムで、「店舗管理システム」と同様の課題を抱えていたことから、こちらもAWSへ移行してほしいという依頼を受けました。
「『栄養管理システム』は規模が大きく重要度も高いことから、まずは『店舗管理システム』を移行し、そこで得た経験やノウハウを活用して『栄養管理システム』を移行するという二段階のステップを踏むことにしました」(渡辺氏)

移行時のサポートと内製化への支援を期待し
高い技術力を持つBeeXをパートナーに指名

2つのシステムをAWSへ移行させたいという依頼を受けた富士テレコムですが、当時の同社はクラウドインフラに対する知識やノウハウが十分でありませんでした。そこで、AWSから紹介された複数の企業を比較・検討。最終的にBeeXをパートナーに選定しました。
「要件としたのは、インフラだけでなくアプリケーションに関する技術力もあること、将来の内製化に向けた支援をいただけることの2点でした。BeeXはこれらの要件を満たしていることに加え、担当者の印象や技術力、コスト面なども評価しました」(渡辺氏)

最初のプロジェクトとなる「店舗管理システム」のAWS移行は、2021年9月にスタート。2022年11月にインフラ環境の構築を完了。その後、富士テレコムが主体となってアプリケーション開発を進め、2023年6月に本稼働の日を迎えました。

インフラ環境についてはA社の指定に基づきコンテナベースのサーバーレスとし、「AWS Fargate」で構築しました。データベースはマネージドサービスの「Amazon Aurora」を採用しています。なお工程の初期には、BeeXからの提案を受けて「AWS CloudFormation」によりIaC化し、テンプレートを用いて複数の環境を構築することで作業期間を短縮する工夫を行っています。また、“止められないシステム”であることも考慮し、DR環境をAWSの大阪リージョンに構築、事業継続性を確保しました。

クラウドならではの工夫としては、システムの需要に基づきコンピューティングリソースを自動的に割り当てるオートスケーリングを採用し、コストの最適化を図っています。アプリケーションサービス統括部 フードケアサービス部 サービス課の尾辻雅行氏は「『店舗管理システム』については週1回、特定の時間帯に負荷が集中することがわかっていたことからオートスケーリングを採用しました。導入時には、既存システムの稼働ログをもとに負荷テストを行い、その結果をもとにAWS Fargateのタスク数を調整していきました」と語ります。

大規模システムゆえに移行に苦労も
BeeXから助言やサポートにより解決

続いての「栄養管理システム」は、2022年2月よりプロジェクトをスタート。2023年12月にインフラ環境の構築を終了しました。その後、アプリケーション開発やテストを経て2024年8月からA社の一部事業所で利用を開始。12月までに全事業所のシステムの移行が完了しました。「栄養管理システム」はアーキテクチャが複雑なことから、既存システムを「Amazon EC2」にリフトするかたちとし、データベースにはAmazon Auroraを採用しています。本プロジェクトについて、アプリケーションサービス統括部 フードケアサービス部 部長の青木一之氏は「大規模なシステム移行ゆえに苦労も多かった」と振り返ります。
「当初はコンテナによるサーバーレス化も検討したものの、システムの規模が大きく十分なパフォーマンスが得られないことから断念。ここでBeeXからAmazon EC2の並行稼働で対応できるという助言をいただきました。また、データベースをAmazon Auroraに変えたことで当初はエラーが出ましたが、BeeXからのサポートもあって解決することができました。負荷テストについても、規模が大きいゆえにピークが読めず苦労もありましたが、試行錯誤しながら理解を深め、現在は落ち着きつつあります。なおアーキテクチャの設計については、先行した『店舗管理システム』の構成を流用することができました」

構築コストを約50%削減、運用・保守の負荷も軽減
人手不足に対応可能な体制も実現

富士テレコムがA社から依頼された2つのシステムのAWS移行は無事完了し、現在は安定稼働を続けています。このうち「店舗管理システム」については、クラウドへの移行によりコストや運用・保守の面で効果があったといいます。

「オートスケーリングの採用により、負荷の集中するピーク時のみスケールアウトすることで、全体として使うリソースを抑え、オートスケーリング不採用時と比較してコストを約50%削減できました。また運用についても、CI/CDの導入にチャレンジしたことで、ソースコードの変更やAWS Fargateに展開する流れが自動化でき、負荷の軽減につながっています。BeeXからバッチサーバーの実行漏れを防ぐ提案をいただいたことも有難かったですね」(尾辻氏)

「栄養管理システム」についても、徐々に運用が軌道に乗り始めており、A社の業務効率化に貢献しています。
「今回のプロジェクトは、単なる業務効率化ではなく、戦略ツールとして活用したいというお客様のご要望に応えることができました。人手不足に悩むこの業界において、オンライン化により1名で複数の事業所をカバーできる体制が実現できたことは大きいと高い評価をいただきました」(青木氏)

同社が目的のひとつに掲げていた将来の内製化に向けた知識やノウハウの獲得においても、一定の手応えを得たといいます。
「今回のプロジェクトを通じ、AWSに関する知識は確実に身に付いたと実感しています。とはいえ、まだまだ学ぶことは多くありますので、引き続き勉強を続けていきたいと思います」(尾辻氏)

インフラからアプリケーションまで
BeeXによる全般的な伴走支援を評価

今後について富士テレコムでは、A社に向けたアプリケーションの開発・改修をさらに進め、よりよいシステムにブラッシュアップしていく予定です。また、今回のプロジェクトで得たノウハウを他のソリューションでも活かしていくといいます。さらに、フードケアビジネス部が開発を手掛けるアプリケーションのクラウド版の開発を進めていく構想を描いています。

BeeXについては、インフラ領域に留まらず、アプリケーションまで含めた全般的な伴走支援を評価。開発中に発生したさまざまなトラブルや相談ごとに対する迅速なレスポンスと的確なアドバイス、高度な技術力に基づく設計・構築支援、スケジュール管理などを評価し、将来の案件についても大いに期待しているといいます。
「要件定義からお客様とのやり取りまで、何から何まで支援をいただき感謝しかありません。今後も幅広く支援いただければと思います。特に『栄養管理システム』については、献立の自動作成などAIの活用も新たなテーマになっていますので、最新情報を随時提供いただけると助かります」(渡辺氏)

インタビューにご協力いただいた方々

  • ヘルスケアビジネス統括部 フードケアビジネス部 部長
    渡辺 信之 氏
  • アプリケーションサービス統括部 フードケアサービス部 部長
    青木 一之 氏
  • アプリケーションサービス統括部 フードケアサービス部 サービス課
    尾辻 雅行 氏

富士テレコム株式会社

1970年設立。以来、「信頼 和 努力」の社訓のもと、富士通の主要パートナーとして、公共および民需の分野で情報ネットワークやシステムインテグレーション、さらには自社パッケージシステムの開発・販売などに関する事業を展開しています。創立50周年の2020年にはブランドスローガンを「未来に、技術と温もりを。」と定め、顧客にとっての最良のパートナー企業として、コンサルティングからシステムの開発、構築、運用サポート&サービスまでのトータルソリューションを提供しています。

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