日本シグマックス株式会社

AWS

SAP ERPを中心とした基幹システムを2日間でAWSに移行 - 運用負荷を軽減しTCOを約25%削減

業種
製造
従業員数
100~299人

SAP ERPを中心とした基幹システムを2日間でAWSに移行 - 運用負荷を軽減しTCOを約25%削減

医療現場向け外固定製品やスポーツ用サポーターなどの開発・製造・販売を手がける日本シグマックス。同社は2000年からSAP ERPを中心とした基幹システムを運用していましたが、既存サーバーの更新を機にアマゾン ウェブ サービス(AWS)上に移行することにしました。その際のパートナーには知識と経験が豊富なBeeXを選定し、2日間という短いダウンタイムで移行作業を完了。これにより、担当者の運用負荷は大幅に軽減、インフラ運用にかかっていた保守費用も約25%削減しました。さらに、運用管理サーバーなど先行してAWS へ移行していたシステムの運用もBeeXに一元化することで、リソースの最適化が可能になりました。

課題
  • 担当者が少人数のため運用負荷を減らしたい
  • TCOを削減したい
  • トラブル時のベンダー手配などにかかる工数を削減したい
解決したこと
  • 担当者の運用負荷が大幅に軽減
  • TCOが約25%削減
  • AWS上のシステムにおけるリソースの最適化が可能に

既存サーバーの更新に合わせてAWSへの移行を検討

「医療」「スポーツ」「ヘルスケア」の3つの領域で事業を展開する日本シグマックスでは、独自の製品やサービスを通して社会に新たな価値を提供しています。国内で高いシェアを誇る同社ですが、近年は中国および米国に販売拠点を置き、海外への展開も始めています。経営企画室 スペシャリストの佐々木聰氏は同社の戦略について「海外と比べて一足早く高齢化が進む日本で成功したビジネスモデルを武器に、世界のマーケットへ挑戦していきます」と語ります。
同社では、業務を支える基幹系システムについて、2000年にSAP R/3 4.0Bを導入。SD、MM、FI/COのモジュールを運用してきました。その後、2005年、2012年と二度にわたるバージョンアップを経てSAP ERP6.0にしましたが、既存サーバーの保守切れが迫ってきたことから、2016年ごろよりクラウド化の検討を始めました。当時の課題について、経営管理室 スペシャリスト システム担当の佐藤淳一氏は次のように語ります。
「当社のシステム担当者は3名と少人数で、運用の負荷がかなり大きくなっていました。そこで、システムをクラウド化することでそうした負荷を減らし、TCOも削減したいと考えたのです。また、それまではサーバートラブル時にH/Wベンダー保守の手配ややりとりに工数がかかっており、少しでもそうした手間を削減したいという思いがありました」

SAP ERPのAWS移行に関するずば抜けた知識と実績を評価しBeeXを選定

将来的にはSAPも含めた基幹サーバーのクラウド移行を見据え、2014年よりAWSの利用を開始しました。当初は業務影響の少ない各種管理サーバーでトライアルを実施し、その後AWSのWorkSpaces、ドメインコントローラ、そして全社員が常時利用しているファイルサーバーの移行を行いました。ここまで1年を費やして試験検証を重ね、パフォーマンスその他に問題ないことが確認できたため、基幹サーバー移行の検討に入りました。基幹サーバーをクラウド移行するにあたっては、改めて既存のベンダー含め、数社のクラウドベンダーの比較検討を行いました。その結果、やはりSAPの実績・その他オプションサービスに加え、コスト面におきましても、AWSが最も優れていると判断し採用しました」(佐藤氏)
SAP ERPのAWS移行に際しては、パートナー選びも重要なポイントとなります。そこで同社は既存ベンダーも含めて3社に提案を依頼し、その中からBeeXを選定しました。その理由について佐藤氏は「BeeXはSAPシステムのAWS移行に関する知識がずば抜けていました。特に移行時のダウンタイム、移行方法など最もユーザーへの負担が少ない提案をいただけました」と語ります。

確実な移行方法を選択し2日間のダウンタイムで切り替え

SAP ERPに加え、帳票開発ツール、ワークフローシステム、BIツールまで含めた基幹系システムの移行プロジェクトは、2017年5月末にキックオフ。環境構築、テスト、リハーサルなどを経て、11月に移行を実施しました。この際、確実性を高めるため、OSとDBのバージョンアップは行わずそのまま移行することで、リスクの軽減を図っています。
基盤のAWS化については、現行のスペックを再現することに重点を置き、EC2インスタンスの選定やサイジングを実施。過剰なリソースは削減、必要なリソースは増強しながら、コストを最適化しています。また、運用設計も合わせて見直し、データベースの最適化を図りました。さらに移行時は専用のツールを活用し、仮想化環境からマシンイメージをそのままAWS上へ移行することで、期間の短縮を図っています。「BeeXは、私たちに一番負担のかからない移行方法を提案していただきました。結果的に、プロジェクト期間中のテスト工数などを最小化するとともに、本番移行時のダウンタイムを2日間に抑えることができ、すみやかな切り替えを実現しました」(佐藤氏)

運用負荷が大幅に軽減しTCOは約25%削減 全システムのリソースの最適化が可能に

日本シグマックスがSAP ERPをAWSへと移行してから取材時点(2018年10月)で1年近くがたちましたが、安定した稼働が実現しています。また、リソースが最適化されたことでシステムのパフォーマンスが向上し、夜間バッチにかかる時間も1/4になりました。
そして今回の移行により、以前の課題であった担当者の運用負荷は大幅に軽減されたといいます。「移行後はハードウェアのトラブル対応などがなくなったおかげで、担当者が機材やSEの手配に追われるような負担がなくなりました。そのぶん空いたリソースを他のシステムの企画や開発に振り向けることができるようになったメリットは大きいですね。また、年間の保守費用の総額(TCO)についても、約25%の削減が実現しました」(佐藤氏)
そして同社では、今回の移行に合わせて、先行してAWS上で稼働しているシステムの運用についてもBeeXに一元化しました。その結果、AWS上にあるシステム全体の基盤標準化が可能となり、全てのリソース最適化やパフォーマンス改善が実現したのです。現在は月1回の定例会を通して、バックアップの自動化や監視方式の見直し等、AWS基盤運用のさらなる改善や可用性向上、コスト最適化の検討などを進めています。

日本シグマックス様 移行後のシステム概要図

“2025年問題”の解決に向けてSAP S/4HANAへのアップグレードを検討

将来について日本シグマックスでは、今回の移行では対象外としたOSとDBのアップグレードを実施することを検討しています。さらに、現行のSAP ERPのサポートが終了する、いわゆる“2025年問題”の解決に向けて、SAP S/4HANAへのアップグレードも検討中で、移行の可否まで含めて情報収集を始めています。佐藤氏はBeeXに対し「現状の運用を見ながら、さらなる改善と新たな技術の提案に期待しています」と話しています。
時代のニーズをとらえた製品を通じて「元気」を提案していく日本シグマックス。そのシステム基盤は今後もさらなる進化を続けていきます。

インタビューにご協力いただいた方々

  • 経営企画室 スペシャリスト
    佐々木 聰 氏
  • 経営管理室 スペシャリスト システム担当
    佐藤 淳一 氏

日本シグマックス株式会社

1973年に創業。以来40年以上にわたり、整形医療の分野において医療用サポーター、ギプスなどの外固定製品を中心に事業を展開してきました。その後、医療分野で蓄積した技術をスポーツ分野に応用し、1993年にはスポーツ向けブランド「ZAMST(ザムスト)」を発表。その品質は、バトミントン、サッカー、テニス、レスリングなどの競技において、トップアスリートから愛好家まで幅広い支持を受けています。さらに、医療やスポーツの分野で培ったノウハウを日常生活へと広げ、3つめの事業としてヘルスケア事業を展開。「メディエイドサポーター」「マックスベルト」などのオリジナル製品を販売しています。

SAP は、ドイツおよびその他の国々におけるSAP SEの登録商標です。

アマゾン ウェブ サービスおよびAWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

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