SAP Business Data Cloudのインテリジェントアプリケーションを試してみた

この記事を書いたメンバー:

中間 知実

SAP Business Data Cloudのインテリジェントアプリケーションを試してみた

目次

はじめに

近年、「データプロダクトマネージャー」という職種が注目されています。この役割は、企業内に散在するデータを統率・管理し、デジタルトランスフォーメーションを推進を目的としています。しかし実際には、企業のデータは部門ごとに分断され、統一的に活用するのが難しいのが現状です。そこで求められるのが、データの統合と利活用を可能にする基盤です。この課題を解決するのが、SAP Business Data Cloud(BDC)です。BDCは、SAPシステムを中心とした、企業の様々なシステムやアプリケーションからデータを集約・統合し、ビジネスに活かせる形で提供する新しいデータプラットフォームです。

SAPの深い業務知識と優れたメタデータ管理技術を基盤に開発されたBDCは、これからの企業データ戦略において中心的な役割を担うことが期待されています。 BDCは、SAP S/4HANAやSAP BW/4HANAと連携し、SAP Analytics Cloud(SAC)での可視化や、SAP Datasphere(DSP)による柔軟なデータモデルの構築を可能にします。さらに、SAP Databricksを統合することで、Delta Sharingを活用した機械学習や自動化も実現し、データの活用性が一層向上します。 SAP BTP上にホストされたBDCは、業務プロセスをつなぎ、データを実用的なインサイトへと変換し、スケーラブルなAI主導の意思決定を強力に支援します。 また、BDCは共通データモデルを採用しており、SAPデータとNon-SAPデータの両方に対してセマンティックの整合性が取れたデータプロダクトの提供を可能にします。詳しいアーキテクチャや内容は下記のブログをご覧ください。


SAP Business Data CloudについてのFAQ

本ブログでは2025年2月13日にSAP Business Unleashedイベント内にて発表されたSAP Business Data Cloudについてこちらのブログを参考に製品概要についてご案内をさせていただきます。 SAP Business Data Cloudとは? SAP Business Data Cloudはアプリケーション、データ、AI を統合することで、新しい時代の企業経営に求められる包括的な視点を提供することを目的としてSAPのBusiness Suite 戦略の中核に位置付けられており、SAPとSAP以外のデータをシームレスに連携しながらすべての SAP データを統合お...

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そして、BDCの新機能の一つにインテリジェントアプリケーションがあります。これはデータ抽出・モデリング・ダッシュボードまでを事前構築したAI対応アプリケーションで、BDC コックピットからインストールして利用します。更にSACと連携することで、すぐに使えるレポートやダッシュボードが提供され、業務での迅速な意思決定を支援します。今回は、このインテリジェントアプリケーションの検証を行います。

検証

本検証では、BDCと各ソリューションとの連携やデータ可視化の実現性を検証していきます。インテリジェントアプリケーションを通じて以下のポイントを確認します。

  1. BDC上にダウンロードされているインテリジェントアプリケーションの確認
  2. SAC上でインテリジェントアプリケーションの確認
  3. DSP上でインテリジェントアプリケーションが利用しているデータの確認

※実際にユーザーが利用開始する時は、SAP for MeからのプロビジョニングとBDC内でのインテリジェントアプリケーションのダウンロードが必要ですが、この工程は省いています。

1.BDC上にダウンロードされているインテリジェントアプリケーションの確認 
2.SAC上でインテリジェントアプリケーションの確認

こちらがBDCコックピットになります。Myアプリおよびパッケージで有効化されているインテリジェントアプリケーションやデータパッケージを確認することが出来ます。

検索画面ではアセット、データプロダクト、KPI、用語、お気に入り、履歴を検索することが出来ます。

インテリジェントアプリケーションのインストール済みを開き、「Woriking Capital Insight」をクリックします。
「Woriking Capital Insight」の概要、ダッシュボードイメージ、利用されているデータプロダクトを確認することが出来ます。

「アプリを開く」のボタンをクリックするとSACでストーリー画面が開きます。


実際にインテリジェントアプリケーションをSACで開くことが出来ました。SACで開いたインテリジェントアプリケーションはカスタマイズしてグラフの追加や削除をすることができます。
赤枠の中のアイコンをクリックすると、ストーリーが閉じます。


SACの右上のパネルを開くとDSP、BDCコックピットに移動することが出来ます。

3.DSP上でインテリジェントアプリケーションが利用しているデータの確認

リポジトリエクスプローラーのスペースで「IA Working Capital」を選ぶと使用されている分析モデルやビューを確認することが出来ます。

分析モデルをクリックすることで、詳細まで確認することができます。

検証は以上になります。BDCで管理されているインテリジェントアプリケーションをSACで開いたり、DSPでデータソースを確認出来ることがわかりました。以前より、どのデータがどのモデルに使われていて、どのダッシュボードで活用されているのかが、管理、確認しやすくなったと思います。

まとめ

今回はBDCのインテリジェントアプリケーションを中心に検証を行い、SAPの各種データ関連製品を統合し、セキュアかつ一貫性のあるデータ管理を確認出来ました。
例えば、S/4HANAやSAP周辺システムのデータは豊富に蓄積されているにもかかわらず、ダッシュボードの設計や作成するためのデータ加工まで手が回らない企業も少なくありません。インテリジェントアプリケーションは、ゼロから画面設計やデータ加工をしなくても、すぐに可視化できる点で非常に有効だと思います。一方で、現時点では非SAPデータとの統合・管理のしやすさについては、引き続き検証が必要です。今後は自社環境でのプロビジョニングやデータソース接続を検証したり、SAP Databricksを活用し、SAP内のデータに対して機械学習を適用することにもチャレンジしたいと思います。

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