銀座ミツバチプロジェクト:ミツバチたちの引っ越しレポート

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Akane Takaguchi

銀座ミツバチプロジェクト:ミツバチたちの引っ越しレポート

目次

新たなミツバチたちを迎える

春の訪れとともに、「銀座ミツバチプロジェクト」では、新たなミツバチたちを迎える準備を進めてまいりました。今年も千葉県から30個の巣箱が到着し、都心のビル屋上での新生活が始まります。一つの巣箱にはミツバチの群れ、巣枠、巣箱本体が収められており、重さは約20〜30kgにもなります。この重みのある巣箱を、トラックから建物内へ、さらに屋上まで運ぶ作業は、容易なものではありません。

なぜ夜に作業を行うのか

ミツバチの引っ越し作業は、日没後に実施しています。その理由は、日中はミツバチたちが活発に飛び回っており、巣に戻るタイミングがバラバラなためです。一方で、夜はほとんどの個体が巣の中で静かに過ごしているため、安全かつ確実に運搬できる最適なタイミングとなります。なお、ミツバチは非常に繊細な帰巣本能を持っており、巣箱の位置がわずかでもズレると、帰る場所を見失ってしまうことも。慎重な取り扱いが求められるゆえんです。

都会の屋上へと続く道のり

都心のビルではよくあるように、最上階まではエレベーターで移動できますが、屋上までは階段を使用する必要があります。特に築年数の古い建物では、急な階段が続くこともしばしばです。今回の作業でも、階段を使ってすべての巣箱を人力で運び上げました。普段から体力には自信のある私も、ミツバチを刺激しないよう慎重に水平を保って運ぶ作業には苦戦を強いられました。重さそのものよりも、その「不安定さ」と「繊細さ」が、普段のトレーニングとは一線を画すものでした。

無事に設置を終えて

屋上に巣箱を設置した後は、閉じていた巣箱の扉を開放します。この際にも細心の注意が必要です。特に都心部では、近隣のネオンや照明にミツバチが引き寄せられてしまうこともあり、周囲の環境をよく観察しながら作業を進めています。この日は気温が低かったためか、巣箱の扉を開けてもミツバチたちは少しだけ顔を出し、すぐに巣の中へと戻っていきました。まるで「寒いからまだ出たくない」と言っているかのような、春先ならではの微笑ましい一幕でした。作業は19時にスタートし、完了したのは21時半過ぎ。体はすっかり冷え切り、お腹も空いていたスタッフたちは、近くのラーメン店で温かい一杯をいただきながら、長い一日をねぎらいました。

ハチ豆知識:気温の変化とミツバチの行動

春の訪れとともに、日中は汗ばむような暖かさを感じる日も増えてきました。私たち人間が外出したくなるように、ミツバチたちもまた、この陽気に誘われて巣の外へと飛び立ちます。しかしながら、春の気候はまだまだ不安定。特に夕方以降は気温が一気に下がることも少なくありません。実はこの「昼と夜の寒暖差」が、ミツバチたちにとっては大きなリスクとなるのです。日中、「少しだけ外の花を見に行こう」と巣を離れたミツバチが、気温の低下により体温を保てなくなり、帰巣できず命を落としてしまうことがあります。これは都市環境においても頻繁に見られる現象です。銀座の街中でミツバチを見かけた際は、ぜひ心の中で「早くおうちに帰ってね」と声をかけてあげてください。その一匹一匹が、都市の自然と生態系を支えるかけがえのない存在です。


大手町ビルの屋上巣箱

銀座ビルの屋上巣箱

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