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SAPのバージョンとカーネルリリースの関係を理解する

2018/12/31:753カーネルの保守情報を更新しました。

SAPシステムを安定稼働させるためには、製品の保守期限を意識することは重要ですが、SAPカーネル(OSプログラム)の観点で有効バージョンかどうか、またその保守期限はいつまでなのか、という点もシステムのメンテナンス計画を立案する上で重要な要素になります。

本記事では、現在(2018/2時点)基盤として主流となっているSAP NetWeaver 7.0~7.5の製品に該当するSAPカーネルのバージョンとその保守期限、そして有効バージョンの意味を整理します。SAPカーネルについて掘り下げる前に、前提知識をまずお話したいと思います。NetWeaver7.0~7.5を対象とするSAPカーネルは、2つのカーネルバージョンが常時サポートされます。

  • Standard Version (Standard Kernel)
  • Innovation Version (Innovation Kernel)

Standard VersionとはSAPカーネルにおけるデフォルトバージョンにあたり、多くのお客様の利用を想定したものになります。一方でInnovation Versionとは文字通り機能追加や改善等を積極的に取り入れる革新的カーネルという位置づけになります。(決して安定していないという意味ではありませんのであしからず)まだ仮の話として、将来的に新しいカーネルがリリースされたとすると、現行のStandard Versionには保守期限が設定され保守切れとなり、Innovation VersionがStandard Versionへ、新しくリリースされたカーネルはInnovation Versionへと入れ替えが起こるということになります。

抽象的な話ではよくわからないので実際のカーネルで見てみましょう。まず、SAPカーネルのリリースロードマップから方向性が示されており、以下の2種類に大別されます。

カーネル対象SAPバージョン
7.2XNetWeaver7.0~7.31(SAP_BASIS700~731)
7.4XNetWeaver7.4~7.51(SAP_BASIS740~751)

7.2X系と7.4X系の2種類の中に、それぞれ有効バージョンが2種類存在します。まずは7.2Xカーネルの中身ついて掘り下げてみます。

カーネルリリース
保守期限備考
720 / 720_EXT保守切れ
721 / 721_EXT未定Standard version
722 / 722_EXT未定Innovation version

元となる情報源はSAP社のノート番号1744209です。(参照にはSAP社SユーザIDが必要です)リリース7.2Xでは最新カーネルが下位互換カーネルとして大きな前提条件なく利用可能です。DCK(Downward Compatible Kernel)とも表記されます。先の話照らし合わせると、もし7.23カーネルがリリースされると、721カーネルにはサポート期限が設定され、保守切れを迎えることになるものと考えられます。

 

それでは、NetWeaver7.4~7.5を対象とする7.4Xカーネルについても見てみましょう。7.4Xという名称ですが、NetWeaver7.5でも利用可能です。

カーネルリリース保守期限備考
742保守切れ
7452019年1Q予定
7492020年1Q予定Standard Version
753未定Innovation Version
PL100より下位互換カーネルとしてサポート

7.4Xカーネルは745カーネルの保守が間もなく終了します。749、753カーネルの2種類が引き続きのサポートバージョンとなります。元となる情報源はSAP社のノート番号1969546です。(参照にはSAP社SユーザIDが必要です)最新の753カーネルにアップデートされる場合はSAP社ノート番号2556153及び2451067に従い前提条件を確認して下さい。また、最近ではあまり関係ないかもしれませんが、NetWeaver7.4 SP0~7とSAPカーネルは利用に条件がありました。このような情報は随時SAP社のノートに記載されることから、カーネルの過渡期にはノート番号1969546及び関連ノートをしっかりと確認する必要があります。