【ウェビナーレポート】From RAG to MCP - 生成AI内製化支援の最前線

この記事を書いたメンバー:

金子麻美

【ウェビナーレポート】From RAG to MCP - 生成AI内製化支援の最前線

目次

2025年11月に『From RAG to MCP:生成AIが変えるERP/SAPデータ活用と内製化支援の最前線』を開催し、生成AIのPoC(概念実証)から実業務への展開や運用の内製化に課題を抱える企業に向けて、RAG(Retrieval-Augmented Generation)からMCP(Model Context Protocol)への技術進化と、その実践的な活用方法を解説しました。

生成AIの活用が広がる中、多くの企業はPoCで終わってしまい、実務への定着に苦労しています。これらの課題を解決するための新しい技術的アプローチと、企業が自社内で生成AIを継続的に運用・拡張していくためにはポイントが必要です。

本レポートでは、ウェビナーで紹介したRAGとMCPの違い、ERP/SAPデータを活用した実践的なソリューション事例、そしてBeeXが提供する生成AI内製化支援サービスの全体像について改めてご紹介します。

企業が生成AIに求めるニーズ

昨今、多くの企業は生成AIの活用が課題です。実際のお客様との対話から見えてきた主なニーズは以下の通りです。

  • 資材情報の管理と資料検索の効率化
  • 議事録の自動要約
  • 膨大なデータベースからの情報検索
  • QAボットとしての活用

これらの課題解決には、RAG(Retrieval-Augmented Generation)という情報検索と生成AIを組み合わせた仕組みが効果的です。RAGは外部データに社内情報や必要なドキュメントを蓄積し、ユーザーの質問に応じてデータを引き出し、GPTやClaudeなどの大規模言語モデル(LLM)に渡して適切な回答を生成します。

MCPの登場:新たなアプローチ

2024年11月26日、AnthropicがMCP(Model Context Protocol)を発表しました。MCPは、AIに外部ツールを簡単に持たせることができる革新的なプロトコルです。

従来のRAGでは、手動でのデータ取得やデータ保持の仕組み構築が必要で、最新データを扱うには頻繁な更新が求められました。一方、MCPを活用することでメリットが生まれます。

  • リアルタイム性の向上:外部サービスやERPデータに直接接続
  • データアクセスの簡素化:Google、Microsoft、SAP、Salesforceなど多様なサービスへの接続が容易
  • 拡張性の向上:様々なデータソースを柔軟に組み合わせ可能

ERP × クラウド × 生成AIソリューション

BeeXが開発したソリューションは、ERPユーザーが抱える課題に対応しています。

主な課題:

  1. データ分散問題:複数モジュールに散在するデータの収集困難
  2. 分析の複雑性:特定期間や要因の深掘り分析に専門知識が必要
  3. 予測の難しさ:精度の高い未来予測にカスタマイズが必要

ソリューションの特徴:

  • ERPからデータを抽出し、生成AIで可視化
  • チャットによる対話型分析でグラフの絞り込みや予測が可能
  • マルチエージェント構成を採用し、精度の高い回答を実現

マルチエージェントシステムでは、オーケストレーターエージェントが指示を整理し、データ収集エージェントが情報を取得、データ分析エージェントが要因分析や売上予測を実行します。

MCPを活用した次世代アプローチ

従来のRAG構成では、ERPデータを一度クラウド上に保持する必要があり、コストとリアルタイム性に課題がありました。MCPを使ってSAP上のデータに直接アクセスする仕組みを構築することで、これらの課題を解決しました。

技術検証では、ClaudeデスクトップをMCPクライアントとし、SAPのSybaseから直接データを取得して分析する環境を実装。カラム情報の意味付けを行うことで、生成AIが適切にデータを理解し、グラフ表示まで自動化しました。(動画内のデモ参照)

BeeXの生成AI伴走支援

BeeXでは、「ハニカム伴走支援」として以下のサービスを提供しています。

  1. 活用戦略策定支援:現状分析、課題抽出、ユースケース設計、技術選定
  2. 環境構築支援:生成AI環境の設計・構築、LLM接続、セキュリティ整備
  3. アプリ開発支援:生成AI活用アプリケーション・API開発
  4. データ連携・RAG構築支援:データ基盤構築、MCP環境構築、API開発
  5. プロンプト最適化支援:精度向上、プロンプト最適化、アプローチ改善
  6. 利用状況分析・効果測定:ログ収集、KPI設計、改善提案

各支援は個別に依頼することも、パッケージとして依頼することも可能です。

まとめ

生成AI技術は急速に進化しており、RAGからMCPへの移行により、よりリアルタイムで柔軟なデータ活用が可能になっています。特にERP/SAPを活用する企業において、生成AIとの組み合わせは専門知識のないユーザーでもデータを活用できる環境が整備されるため、業務効率化を大きく促進します。

BeeXでは、クラウド開発と生成AIのノウハウを組み合わせ、お客様の課題に合わせたカスタマイズソリューションを提供しています。生成AIの導入や活用でお困りの際は、ぜひご相談ください


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