AWS

AWSネットワークは「構築」より「設計」が重要な時代へ ~複雑化するマルチアカウント・セキュリティ環境を最適化するために~

AWSネットワークは「構築」より「設計」が重要な時代へ ~複雑化するマルチアカウント・セキュリティ環境を最適化するために~

目次

はじめに

AWSの利用が一般化した現在、多くの企業ではシステムごとにAWSアカウントを分離し、複数のVPCや複数リージョンを組み合わせたマルチアカウント環境を採用しています。これによりガバナンスやセキュリティは向上する一方、ネットワーク構成は年々複雑化しています。

「接続経路が把握できない」「誰が設計したか分からないルートが残っている」「セキュリティ対策を強化したいが影響範囲が読めない」といった悩みを抱える企業は少なくありません。

AWSでは数クリックでネットワークを構築できます。しかし、本当に重要なのは"構築すること"ではなく、将来の拡張や運用まで見据えた"設計"です。

本記事では、エンタープライズ企業でよく見られる課題と、その解決に必要な考え方についてご紹介します。


企業で増加する「AWSネットワークの複雑化」

AWS導入当初は1つのVPCだけだった環境も、新しいシステムや部門の追加に伴い、次第にネットワークは複雑になります。

例えば、

  • システム単位でAWSアカウントが増加
  • 開発・検証・本番環境の分離
  • Direct ConnectやVPNによるオンプレミス接続
  • Transit GatewayによるVPC集約
  • PrivateLinkやVPC Endpointの活用
  • インターネット出口の集約
  • マルチリージョン構成
  • AWS Network FirewallやWAFなど複数のセキュリティサービス導入

これらは個別に見ると適切な設計ですが、全体として見るとネットワーク全体像が見えなくなり、「なぜこの通信が通るのか」「なぜ遮断されるのか」を説明できる担当者が限られてしまうケースも珍しくありません。

結果として、新しいシステムを追加するたびに設計変更の工数が増え、障害対応にも時間を要するようになります。


セキュリティ強化と運用効率は両立できる

近年ではゼロトラストやガバナンス強化の観点から、ネットワークにも高いセキュリティが求められています。

しかし、セキュリティ対策を追加するだけでは、かえって構成が複雑化してしまうことがあります。

例えば、

  • セキュリティグループのルールが肥大化している
  • Network ACLとSecurity Groupの役割が整理されていない
  • AWS Network Firewallのルールが属人化している
  • Route Tableが増えすぎて経路が分かりにくい
  • VPC Endpointの利用方針が統一されていない

重要なのは「多くのサービスを導入すること」ではなく、「全体として一貫した設計思想を持つこと」です。

ネットワーク設計、セキュリティ設計、運用設計を切り離して考えるのではなく、将来の運用まで見据えて最適化することが、長期的な運用品質につながります。


ネットワーク設計を見直すタイミングとは

AWS環境は、一度構築すると数年間利用されるケースが一般的です。

そのため、以下のようなタイミングは設計を見直す良い機会となります。

  • AWSアカウント数が増えてきた
  • Transit Gatewayを導入予定
  • オンプレミスとの接続方式を変更する
  • Direct Connectを導入する
  • ネットワーク障害の原因調査に時間が掛かる
  • セキュリティ監査で改善指摘を受けた
  • AWS OrganizationsやControl Towerを導入する
  • システム統合・クラウド移行を進める

特にエンタープライズ企業では、将来的なM&Aやグループ会社追加など、ネットワーク変更が発生する可能性も少なくありません。

短期的な要件だけではなく、「3年後・5年後も運用しやすい構成か」という視点で設計を評価することが重要です。


BeeXが提供するネットワーク設計・最適化支援

BeeXでは、AWSネットワークを単に構築するだけではなく、「運用し続けられるネットワーク」の実現を支援しています。

例えば、

  • 現状ネットワークの可視化・アセスメント
  • マルチアカウント構成の最適化
  • Transit Gatewayを活用したネットワーク再設計
  • Direct Connect・VPN・PrivateLinkを組み合わせた接続設計
  • AWS Network FirewallやWAFを含めたセキュリティアーキテクチャ設計
  • 新規AWS環境のネットワーク設計・構築
  • 既存環境の改善提案・移行支援
  • AWS全般のインフラ設計・構築・運用支援・ガイドライン策定

設計レビューのみ、ガイドライン策定のみといったご相談から、大規模なインフラ構築まで、お客様の状況に応じた支援を行っています。

特定サービスの導入を目的とするのではなく、お客様の業務要件や運用体制を踏まえ、最適なアーキテクチャをともに検討することを大切にしています。


最後に

AWSのネットワークは、システムの成長に合わせて進化していくものです。そのため、構築当初は最適だった設計も、数年後には運用負荷やセキュリティリスクの要因となることがあります。

「ネットワーク構成が複雑になり、全体像を把握しづらい」「マルチアカウント環境を整理したい」「セキュリティを強化したいが、どこから着手すべきか分からない」。こうした課題を抱えているのであれば、一度現在の構成を客観的に見直してみることをおすすめします。

BeeXでは、AWSネットワークのコンサルティングから設計ガイドラインの策定、既存環境の改善、新規設計・構築まで幅広く対応しています。単なる構築ベンダーではなく、お客様の中長期的なIT戦略を見据えたパートナーとして、最適なAWSインフラの実現をご支援します。AWS環境に関するお悩みがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

関連サービス

Service

SAPシステムや基幹システムのクラウド移行・構築・保守、
DXに関して
お気軽にご相談ください

03-6260-6240 (受付時間 平日9:30〜18:00)