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クラウド時代のセキュリティ、難しくなっていませんか?
近年、多くの企業がAWSやAzure、Google Cloudといったクラウドサービスを活用するようになりました。サーバーをすぐに用意でき、システムを素早く拡張できるクラウドは、ビジネスにとって大きなメリットがあります。一方で、こんな声もよく耳にします。
1.クラウドのセキュリティ、何から手を付ければよいかわからない
2.設定ミスや権限の付け過ぎが不安
3.ツールが増えすぎて、全体像が見えない
こうした課題に向き合う考え方の一つとして、近年注目されているのがCNAPP(Cloud Native Application Protection Platform)です。本コラムでは、セキュリティ初心者の方にも分かるように、CNAPPとは何か、なぜ必要とされているのか、そして私たちがどのように支援できるのかを解説します。
CNAPPとは?一言でいうと
CNAPPとは、クラウド環境のセキュリティを「まとめて」「わかりやすく」管理するための考え方・プラットフォームです。CNAPPは、2021年に米国のIT調査会社Gartnerによって提唱された概念で、クラウドネイティブなアプリケーションを安全に運用するために必要な複数のセキュリティ機能を、1つのプラットフォームに統合します。従来は、
1.設定チェックはAというツール
2.脆弱性管理はBというツール
3.権限管理はCというツール
と、バラバラに管理する必要がありました。CNAPPは、これらを横断的に可視化し、「今、どこに、どんなリスクがあるのか」を一目で把握できるようにします。
なぜ今、CNAPPが必要なのか
クラウド利用の拡大と複雑化が背景にあります。現在のクラウド利用は、単一のクラウドだけではありません。
1.AWS・Azure・GCPなどを組み合わせたマルチクラウド
2.コンテナやKubernetesの利用
3.CI/CDによる高速なシステム開発
4.SaaSの業務利用
こうした環境では、設定や権限が非常に複雑になり、人の目と手だけで安全を保つのは限界があります。
最大のリスクは「設定ミス」と「権限の付け過ぎ」
クラウドのセキュリティ事故の多くは、高度なハッキングではなく、
1.本来非公開にすべきデータの公開設定
2.必要以上に強い管理者権限の付与
といった設定ミスが原因です。CNAPPは、こうしたミスを自動的に検出し、リスクとして可視化することで、事故を未然に防ぎます。
CNAPPを構成する主な機能
CNAPPは複数のセキュリティ機能の集合体です。ここでは代表的なものを、難しい用語をできるだけ使わずに紹介します。
CSPM:クラウドの設定ミスを見つける
CSPM(Cloud Security Posture Management)は、クラウド環境の設定を自動的にチェックする仕組みです。
1.公開されてはいけないストレージが公開されていないか
2.セキュリティ基準(CIS、ISO、PCI DSSなど)を満たしているか
といった点を継続的に確認し、問題があれば通知します。
CWPP:サーバーやコンテナを守る
CWPP(Cloud Workload Protection Platform)は、
1.仮想マシン
2.コンテナ
3.サーバーレス
といった「実際に動いているシステム」を守る仕組みです。脆弱性のあるソフトウェアや、不審な振る舞いを検知し、攻撃の早期発見につなげます。
CIEM:権限の付け過ぎを防ぐ
CIEM(Cloud Infrastructure Entitlement Management)は、
1.誰が
2.どのクラウドで
3.どんな権限を持っているか
を整理し、過剰な権限を見つけ出します。「使われていない管理者権限」などは、攻撃者にとって格好の侵入口になります。CIEMはそのリスクを減らします。
DSPM:データそのものを守る
DSPM(Data Security Posture Management)は、クラウド上にあるデータに着目します。
1.どこに機密情報があるのか
2.そのデータは安全に保護されているか
を可視化し、「重要なデータが危険な状態にないか」をチェックします。
Code Security:開発段階から安全に
CNAPPは運用だけでなく、開発段階のセキュリティにも対応します。
1.IaC(Infrastructure as Code)の設定ミス検出
2.ソースコード内の秘密情報(APIキーなど)の検出
これにより、問題が本番環境に出る前に修正でき、手戻りや事故を防げます。
CSPM・CWPP・CNAPPの違い
よくある疑問として、「CSPMやCWPPがあれば十分では?」という声があります。
簡単に整理すると、
1.CSPM:設定を見る
2.CWPP:動いているシステムを見る
3.CNAPP:それらをまとめて、関連付けて見る
という違いがあります。
CNAPPの強みは、「設定」「脆弱性」「権限」「データ」「脅威」をバラバラではなく、ひとつの文脈で把握できる点にあります。
CNAPP導入のメリット
1.セキュリティ管理の一元化
複数ツールを行き来する必要がなくなり、管理負荷が大幅に軽減されます。
2.リスクの優先順位が明確に
「たくさん検知されて、どれから対応すべきかわからない」という状態から、今すぐ対応すべきリスクが見えるようになります。
3.コンプライアンス対応の強化
各種ガイドラインや規制への対応状況を、継続的にチェックできます。
CNAPPは導入して終わりではありません
CNAPPは非常に強力ですが、
1.機能が多く、適切な設計や運用をしないと価値を引き出しにくい
2.検知結果の読み解きに専門知識が必要
3.運用が属人化しやすい
といった課題もあります。ツールを入れただけでは、セキュリティ対策は万全とはなりません。
私たちが提供するCNAPP支援の価値
私たちは、CNAPPを「導入すること」ではなく、クラウドセキュリティが継続的に回る状態をゴールとしています。
1.初期設計・オンボーディング支援
2.検知内容の整理と優先度付け
3.定例レビューによる継続改善支援
4.開発・検証・本番を意識した運用設計
CNAPPの機能と、クラウド現場の実情を理解したスペシャリストが、伴走型で支援します。
CNAPPを導入しない場合のリスク
ここまで見てきた課題を踏まえると、CNAPPを導入しない場合、次のような問題が顕在化しやすくなります。
1.リスク判断が担当者の経験に依存し、重大リスクの見逃しが起きる
2.セキュリティ対応が後追いになり、事業スピードを阻害する
3.クラウド環境の説明責任(監査・顧客説明)が重くなる
CNAPPは「新しいツールを増やすこと」ではなく、クラウドセキュリティを継続的に運用するための前提条件になりつつあります。
まとめ
CNAPPは、クラウドセキュリティを 「よくわからない状態」から「継続的なリスクマネジメント」へ進化させる考え方です。
クラウド利用が高度化・複雑化する中で、
1.リスクを正しく把握し
2.優先順位を付け
3.継続的に改善していく
ための基盤として、CNAPPの重要性は今後さらに高まっていくことが考えられます。
BeeXは、CNAPPを単に導入するだけでなく、運用が回り続けるクラウドセキュリティの実現を支援します。 設計・導入・運用・改善までを一貫して支えることで、 お客様のクラウド活用を長期的に支えていきます。