AGC株式会社

AWS

BeeXエンジニアのサポートのもとで内製開発 - ワクチン職域接種予約システムを3日でリリース

業種
製造
従業員数
1000人以上

BeeXエンジニアのサポートのもとで内製開発 - ワクチン職域接種予約システムを3日でリリース

「素材の会社」としてガラス、エレクトロニクス、化学、セラミックスなど多様な分野で事業を展開するAGC。同社は2021年6月、新型コロナワクチンの職域接種を実施するにあたり、早急に予約システムを用意する必要に迫られました。そこで同社の情報システム部は、4名のメンバーによる開発チームを立ち上げ。わずか3日間で新たなシステムを開発し、職域接種を成功へと導きました。そして、この成功の背景には、かねてより同社情報システム部のメンバーとともに内製開発に取り組んできたBeeXエンジニアの存在とサポートがあったのです。

課題
  • 既存の予約システムでは職域接種に対応するのが困難
  • アクセス集中に耐えうる新たな予約システムが必要に
  • 開発に与えられた期間は3日間のみ
解決したこと
  • BeeXエンジニアにサポートされた内製開発により3日間で構築
  • 過去のWebアプリ開発で培ったノウハウを活用
  • クラウドの採用、入力項目の絞り込みにより開発をスピードアップ

独自の素材・ソリューションで、世界中の人々の暮らしを支える - DXの加速により新しい価値の提供を目指す

グループビジョン“Look Beyond”のもと、独自の素材・ソリューションで、世界中の人々の暮らしを支えるAGC。現在は、2030年のありたい姿に向けた中期経営計画 AGC plus-2023 を策定し、コア事業と戦略事業を両輪とする両利きの経営を追求しています。

 AGC plus-2023 の主要戦略の1つに「DXの加速による競争力の強化」があり、最新のデジタル技術の活用を推進しています。この点についてグローバルITリーダー 情報システム部長の伊藤 肇 氏は「当社はこれまでも開発・製造、営業・マーケティング、物流などの領域でデジタル技術を活用し、ビジネスプロセスの変革に取り組んできました。おかげさまでこうした活動が評価され、経済産業省が選定する『DX銘柄2020』にも選ばれました。  AGC plus-2023 では、この取り組みを深化・複合化することで競争優位性を築き、お客様と社会に新たな付加価値を提供することを目指しています」と説明します。

既存の予約システムでは新型コロナワクチンの職域接種への対応が困難 - 新たな予約システムが急遽必要に

さて2020年、世界を新型コロナウイルスの脅威が襲います。その対策のひとつにワクチン接種がありますが、政府は地域の負担軽減や接種の加速化を目的に、企業や学校で接種を行う仕組み(職域接種)をスタート。2021年6月8日から受付を開始、21日から実施すると発表しました。そこで、同社も職域接種に参加することになったのですが、その予約にはインフルエンザのワクチン接種など社内イベントで使っていた既存の予約システムを活用することにしました。しかし、初日に想定を上回るアクセスが殺到したことで、システムがダウンしてしまったのです。当時について情報システム部 ITコンピテンスセンター デジタル・イノベーショングループ マネージャーの瀧田 美喜子 氏は「既存の予約システムは20年以上前に開発したクライアント・サーバー型システムで、急激なアクセス増によって初日にパンクしてしまいました。必要量のワクチンを確保し接種を迅速に進めていくためにも、アクセス集中にも耐えうるシステムが早急に必要でした」と振り返ります。

予約システムの内製開発を決断も
与えられた開発期間は3日間

予約システムがダウンしてしまったことで、AGCで職種接種の取りまとめを行っていた担当者は途方に暮れていました。そんな窮状を見かねた伊藤氏は「情報システム部が内製で開発しましょう」と提案。そこから事態が大きく動き始めます。

他の大企業と同様、これまで同社の情報システム部は上流工程を担当し、開発は外部のベンダに委託するのが通例でした。しかし、世のデジタル化が加速する中、このままではビジネス部門の要求へスピーディに応えられないという危機感から、技術検証(PoC)までは社内で行えるスキルを身に付けるべきと判断し、2017年からアジャイル開発のトレーニングを開始。人材の育成に取り組んできました。
「こうした背景もあって、最近ではビジネス部門から徐々にDX案件の相談を受けるようになり、クラウド技術を活用したWebアプリの構築などの実績を積んできました。とはいえ、今回のような急な案件に対応した例はなく、当初は戸惑いもあったのも事実です。しかし、職域接種という重要なミッションを支えるシステムであることを考え、覚悟を決めてチャレンジすることにしました」(瀧田氏) 

ただし、申し込み締め切りの都合もあり、与えられた開発期間は3日間のみ。そこで情報システム部は、急ぎメンバーを募って新しい予約システムの開発チームを立ち上げることにしました。

内製開発のサポート役として
実績豊富なBeeXに支援を要請

こうして開発チームが立ち上がりましたが、自社メンバーだけで開発を行うのはリスクが大きいと判断。BeeXのエンジニアに支援を要請しました。BeeXはこれまで、AGCの基幹システムのアマゾン ウェブ サービス(AWS)移行、PoC基盤の提供、データレイク基盤の構築、Webアプリの構築などを手がけてきた実績がある上、当のエンジニアと一緒にDXの内製開発を行ってきた経緯があり、サポートを依頼するのも自然な流れだったといいます。

プロジェクトは6月中旬にスタート。予定通り3日間で開発を終えました。期間内に開発を終えることができたポイントについて、バックエンドのAPI開発を担当した情報システム部 ITコンピテンスセンター デジタル・イノベーショングループの向井 拓也 氏は「基盤にクラウド(AWS)を採用、入力項目を名前、ワクチン接種希望日時、電話番号、メールアドレスと必要最低限に絞ることで、開発のスピードアップを目指しました。一方でセキュリティ要件は厳しくし、プライベートネットワーク経由のアクセスを絶対条件としました。さらに、社内認証基盤による認証も実装し安全性を確保しています」と説明します。

 また、フロントエンドのアプリ開発を担当した情報システム部 ITコンピテンスセンター デジタル・イノベーショングループの原田 拓弥氏は「以前からBeeXのエンジニアにはDXの開発チームに参画いただいており、共にWebアプリの開発を行ってきました。そこでノウハウが蓄積されていたことから、3日間という短期開発が実現したのだと思います」と振り返ります。

今回のプロジェクトにおいて、BeeXのエンジニアはアプリ全体の構成検討からメンバーの技術支援まで、幅広いサポートを担当しました。
「現場での開発において豊富な経験を持つエンジニアが、スピード感と先を見通すスキルを用いて向井と原田を支援いただき、非常に助かりました。特に、不足している箇所があるとすぐに見つけてフォローしてもらったのは有り難かったですね」(瀧田氏)

 予約システムが完成後、テストを経て2021年7月から9月にかけて段階的に予約サイトを開設。AGC本体、グループ会社、ビジネスパートナーと合わせて数千名が予約システムを利用して接種を無事完了しました。

内製開発で得られた価値・経験を
ビジネスにフィードバック

予約システムの短期開発に成功した情報システム部は、職域接種の所管部署から感謝され、社内でも表彰を受けました。伊藤氏は本プロジェクトで得た内製開発の価値について、次のように語ります。
「日々移り変わる世の中の情勢を考えれば、今回のようなイレギュラーなことが起こるのは当たり前で、だからこそ内製開発が絶対に必要になります。そして、得られた価値や経験を継続的に積み上げてゆき、ビジネスにフィードバックすることが、当社の強みになっていくと確信しています」

 他のメンバーも、さまざまな気付きを得ています。原田氏は「入社時から勉強してきた知識を初めて実戦で使うことができ、短期間でリリースできたことは大きな経験になりました。また、BeeXのエンジニアからさまざまな知識を吸収でき、スキルアップにもつながりました」と述べ、向井氏も「4名の小さなチームで数千人が使うシステムを開発できたことは大きな自信になりました。特に今回、クラウドのサーバーレスの技術を使ってスケーラブルなシステムが構築できた経験は貴重で、将来の大規模な基幹系システムの開発にも活かせるという手応えをつかみました」と語ります。

 そして、リーダーとして開発チームをまとめた瀧田氏は「開発においては、参加したメンバーのスキル、失敗を恐れないカルチャー、責任あるリーダーの後押しが大切であることを実感しました。私自身も、ピンチのときこそチャレンジ精神が大切であることを知り、リーダーとして、開発者の1人として成長することができたと思います」と振り返ります。

内製開発、チーム開発の範囲を拡大
付加価値を高めるために“楽しくチャレンジ”

今後、AGCは内製開発、チーム開発の範囲を拡大していく方針です。伊藤氏は「情報システム部門の役割が変わっていく中、付加価値を高めるために“楽しくチャレンジ”していきます」と語り、瀧田氏も「人材育成もチーム形成も一朝一夕で身に付くものではありません。今後もBeeXと一体となって、自社ビジネスへの貢献を続けていきたいですね」と決意を新たにしています。

内製開発、チーム開発、人材育成に取り組む中、突発的に発生した予約システムの構築でその成果を発揮したAGC。BeeXとの協力でピンチを乗り切った同社のチャレンジ精神は、DX推進を目指す多くの企業の参考になるはずです。

インタビューにご協力いただいた方々

  • グローバルITリーダー
    情報システム部長
    博士(理学)
    伊藤 肇 氏
  • 情報システム部
    ITコンピテンスセンター
    デジタル・イノベーショングループ
    マネージャー
    瀧田 美喜子 氏
  • 情報システム部
    ITコンピテンスセンター
    デジタル・イノベーショングループ
    向井 拓也 氏
  • 情報システム部
    ITコンピテンスセンター
    デジタル・イノベーショングループ
    原田 拓弥 氏

AGC株式会社

1907年に岩崎俊彌が兵庫県尼崎市で設立。1909年に日本で初めて板ガラスの製造に成功して以来、100年以上にわたる技術革新の歴史の中で培った世界トップレベルの技術を強みに、「ガラス」「電子」「化学品」「セラミックス」の事業領域での新たな価値創造に挑戦しています。2018年7月1日に旭硝子株式会社からAGC株式会社に商号変更。時代の変化に合わせて、必要な素材・ソリューションを提供しています。

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