株式会社コーセー

AWS

SAP ERPのバージョンアップとクラウド化を同時実施アプリケーションからBASIS/クラウドまで BeeXがトータル支援

業種
製造
従業員数
1000人以上

SAP ERPのバージョンアップとクラウド化を同時実施アプリケーションからBASIS/クラウドまで BeeXがトータル支援

「インフィニティ」「雪肌精」などの化粧品ブランドで知られるコーセー。同社は2005年以来、SAP R/3 4.6Cを10年以上にわたって利用してきましたが、DXを確実に推進するため、より安定した環境への更新を決断。BeeXの支援のもと、SAP EhP6 for SAP ERP 6.0へバージョンアップするとともに、インフラ環境をアマゾン ウェブ サービス(AWS)に切り替えました。BeeXは得意とするBASIS/クラウドのみならずジョブ管理など周辺システムの移行やアドオン改修をはじめとしたアプリケーションレイヤーまでトータルで支援。このバージョンアップにより、システムのパフォーマンスは大幅に改善、運用負荷も軽減されました。

課題
  • 10年以上前に導入したSAP R/3 4.6Cのシステムが老朽化
  • ハードウェアの保守期限が迫る
  • 今後の事業の変化やDXに対応できる環境が欲しい
解決したこと
  • 48時間以内のダウンタイムでバージョンアップとAWS移行を実現
  • アプリケーションからBASIS/クラウドまでトータル支援
  • 運用負荷・コストが減少、可用性の向上やセキュリティの強化も実現

10年以上も前に導入したSAP R/3 4.6Cシステムとハードウェアがともに限界

1946年の創業以来、美を通して人々に夢と希望を与えてきたコーセー。同社は、「英知と感性を融合し、独自の美しい価値と文化を創造する」という存在理念のもと、伝統と革新を原動力として未来を築いてきました。現在では多様な顧客ニーズに対応するため、個性豊かなブランドをさまざまな販売チャネルを通じて提供しています。

同社の多彩な商品の販売と出荷を管理する基幹システムは、長らくオフコンベースで運用されてきましたが、2002年にSAP ERP(当時はSAP R/3 4.6C)の導入を決定。2005年に販売管理(SD)と在庫管理(MM)、翌2006年には会計管理(FI/CO)を稼働させました。2009年にはハードウェアのリプレースを機に、SAP ERP 6.0へのバージョンアップを検討したものの、開発リソースの都合で断念。結果として、導入から10年以上にわたってSAP R/3 4.6Cを使い続けてきました。

そして2019年、ハードウェアの保守期限が迫ってきたことをきっかけに、同社は将来のS/4HANA化もみすえてSAP ERP 6.0へのバージョンアップ、およびインフラ環境のAWSへの移行を決めました。その理由について情報統括部 コーポレートシステム課 課長の長谷賢司氏は「2009年のときは、自社で管理していた物流業務を外部ベンダーにアウトソーシングすることが決まっていたため、物流システムの再構築が発生してしまいました。そのため人的リソースは物流に投入し、 SAP ERP 6.0へのバージョンアップは断念したいきさつがあります。そこから長い間使い続けてきたのですが、老朽化したシステムに限界が来てしまいました。そこで、今後の事業の変化やDXに対応できるよう、より安定した環境へ更新することにしました。具体的には、SAP ERP 6.0の延長保守条件となるSAP EhP6 for SAP ERP 6.0までバージョンアップ。合わせてユニコード化を実施することにしたのです。さらには、管理の負荷軽減、可用性の向上、セキュリティレベルの強化を目的にインフラ環境をAWSへ移行することにしました。当社では2012年ごろからAWSを利用してきた流れもあり、SAPシステムでも実績豊富なAWSを採用するのは自然の流れでした」と語ります。

過去の豊富な移行実績とPoCでの検証内容を評価しBeeXを採用

コーセーは、SAP ERPのバージョンアップおよびAWSへの移行について、パートナーを検討。複数のベンダーの中からBeeXを採用しました。決め手となったのは、過去の豊富な移行実績とPoCでの検証内容にあったといいます。
「BeeXには数多くの移行実績があることに加え、その後の運用まで手がけていることを知りました。そこでまずPoCの実施を依頼し、必須要件であった年に一度だけ業務停止が許される年末の48時間以内のデータ移行ができるかどうかを検証してもらったのです。その結果、データ移行で48時間以内、アプリ検証も含めて3日間での移行が実現可能で、合わせてパフォーマンスの向上が期待できるという回答をいただいたことから、本番移行もBeeXに依頼することにしました」(長谷氏)

同社は2019年9月にBeeXへ要件を提示。先行して要件の確認を行ったのち、12月にBeeXを正式にパートナーに選定、プロジェクトをスタートさせました。AWS設計構築からSAP上のアドオン改修・テスト、ERPバージョンアップに伴う新機能採用、周辺システム移行などBeeXの支援範囲は多岐にわたり、コーセーとBeeXが相互協力しながらプロジェクトを推進しました。本番移行は1年後の2020年12月末、正月休みの3日間を利用して実施しています。

「今回の移行ではダウンタイムを48時間以内に収める必要があったのですが、1回目のリハーサルではデータ移行とアプリ検証合わせて70時間以上かかることがわかりました。そこで、プロジェクトチーム全体で議論しながら、データ移行からアプリ接続までの手順を並列化したり、作業手順を入れ替えたりするなど作業の改善を行いました。サーバーもアプリとDBの1台構成から、サーバー3台、DB2台の多段構成に変え、障害時でも安定稼働する環境を構築しました。こうした工夫もあって、2回目のリハーサルでは48時間以内のダウンタイムを実現することができました」(長谷氏)

今回の移行にあたっては、既存システムで作り込んだアドオンを削減しています。以前は約1,500本あったアドオンは2009年の物流改革の際に700本まで削減されていましたが、さらに500本まで削減しました。この点について情報統括部 基幹システム課 課長代理の南邦利氏は「よりスムーズな移行を目指すため、数を絞りこみました。不要な帳票やプログラムも見直し、全体をスリム化しています」と語ります。スリム化の対象はERPのアドオンのみならず、データ連携先となるSAP BW/SEMにも及びます。コーセーでは各種経営計画に必要な実績値、計画値のレポーティング・入力を担うSAP BW/SEMシステムを保持していました。今回のプロジェクトでは、SAP BW/SEM上で実装されていたデータフロー、計画機能、アドオンプログラムのSAP ERPへの移植もBeeXの支援で同時実施、システム統合のスリム化も実現しています。

なお移行作業のほとんどは、新型コロナウイルス感染症の影響による緊急非常事態宣言下に行われました。そのため、プロジェクトは、ほぼすべてオンライン対応となりましたが、スケジュールはおおむね予定通りに進んだといいます。プロジェクトを振り返り、長谷氏はBeeXを次のように評価します。「大型案件のため途中で数多くの問題が発生しましたが、お互い密に情報を共有することで解決に導くことができました。開発の変更にも柔軟に対応していただいたのもありがたかったですね」

システムのパフォーマンスが劇的に向上運用にかかる負荷とコストも減少

コーセーがSAP ERPをバージョンアップしたことで、システムのパフォーマンスは劇的に向上しました。中でも、バッチ処理にかかる時間は半分程度まで短くなったといいます。
「処理が早く終わるようになったおかげで出荷指示などが早く出せるようになり、現場に余裕が生まれ、トラブルの減少や早期解決につながっています。ユーザーが操作するトランザクション処理も、速いものはレスポンス時間が10分の1まで短縮しました」(南氏)

インフラ面では、AWSへの移行により可用性の向上やセキュリティの強化が実現。新たに海外リージョンへのDR環境も構築でき、事業継続も実現しました。そして自社の運用部分が減った結果、負荷とコストの削減も実現しています。
「ハードウェアの導入コストだけでなく、データセンターのラック代、運用に追われていた要員の工数などが減り、TCO全体で削減が進んでいます。今後は、AWSの利用状況を見ながら定額割引の料金体系に切り替える予定です」(長谷氏)


なお、現在は、インフラの運用をBeeXへ委託していますが、トラブルなく安定稼働が続いているとのことです。

国内外のグループ会社のERPを統合・バージョンアップ
クラウド化などを進めることを検討

コーセーは今回のバージョンアップとユニコード化により、EHP6 FOR SAP ERP 6.0の延長保守サポート(2027年末まで)に対応することができました。今後はSAP S/4HANAも視野に入れつつ、次期基幹システムを柔軟に考えていくといいます。


なお、国内外のグループ会社は個々にERPを導入しているため、将来的にはERPの統合やバージョンアップを検討していくとのことです。
「グループとして経営実績を早期に把握するためには、SAP ERPで統一するのがいいのか、他のERPを採用するのがいいのかを検討していきます。また、インフラ環境もオンプレミスからクラウドへと徐々にシフトしていく予定です」(南氏)

これに加えて同社は、業務のさらなる効率化に向けてDXを推進していく考えです。その先駆けとして、ERPの周辺領域を中心に、リアルタイムの実績把握や業務プロセスの改善に向けた自動化を進めていく方針です。

 最後に、BeeXに期待することとして長谷氏は「アフターコロナの時代に向けて、オンラインとオフラインの切り替え、顧客接点の拡大など、SAPシステム以外での支援もお願いします」と語ってくれました。

 「美の創造企業」として、世界で存在感のある究極の高ロイヤルティ企業を目指すコーセー。BeeXは引き続き同社のビジネスを支えていくことでしょう。


システム構成


インタビューにご協力いただいた方々

  • 情報統括部 コーポレートシステム課 課長
    長谷 賢司 氏
  • 情報統括部 基幹システム課 課長代理
    南 邦利 氏

株式会社コーセー

1946年に小林合名会社として創業。独自のブランドマーケティング、研究開発、品質へのこだわりを生かして、「コスメデコルテ」「ジルスチュアート」などのハイプレステージブランドから、「雪肌精」「エスプリーク」などのプレステージブランド、「ヴィセ」「ファシオ」などのコスメタリーブランドまで、多岐にわたる化粧品の開発・製造・販売を手がける。現在は、2026年の創業80周年に向けた中長期ビジョン「VISION2026」のもと、世界で存在感のある企業への進化を目指している。

SAP は、ドイツおよびその他の国々におけるSAP SEの登録商標です。

アマゾン ウェブ サービスおよびAWSは、米国その他の諸国における、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。

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